養育期間標準報酬月額特例(養育特例)とは?社会保険料はそのままで年金を守る制度

養育期間標準報酬月額特例(養育特例)とは、

社会保険料は安いまま、将来受け取る厚生年金額を減らさないための制度です。

育休復帰後に時短勤務などで給料が下がっても、年金計算上は育児前の高い標準報酬月額で計算してもらえます。

育休等終了時報酬月額変更届とセットで使うことをお勧めします。

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養育期間標準報酬月額特例(養育特例)とは?

前回の記事で育休等終了時報酬月額変更届について書きました。

育休復帰後、時短勤務をして給料が減っても、育休等終了時報酬月額変更届の制度を使うことで
社会保険料の金額が下がって、家計にはプラスです。
ただし、社会保険料が下がることで、将来の年金額、気になる方もいますよね。

なぜなら、社会保険料が安くなる=将来受け取る老齢厚生年金が少なくなる

ことに繋がるからです。

老齢厚生年金は、現役時代の標準報酬月額をもとに計算されます。

そのため、標準報酬月額が下がる期間が長いほど、将来の年金額にも影響する可能性があります。

そこでそれを防ぐ制度が養育期間標準報酬月額特例(養育特例)です。

実際の給与や社会保険料は下がったままでも、将来の年金額は子どもを養育する前の高い標準報酬月額で計算してもらえます。

  • 現在の社会保険料は安いまま
  • 将来の年金額は減らさない

    という非常にメリットの大きい制度です。

※将来受け取る年金額を保証する制度ではありません。

あくまでも、子どもを養育する前の標準報酬月額を基準に厚生年金額を計算してもらえる制度です。

養育期間標準報酬月額特例(養育特例)の対象者

条件内容
加入要件厚生年金に加入している
子どもの年齢3歳未満
報酬要件養育開始前より標準報酬月額が下がった

時短勤務だけでなく、

  • 残業が減った
  • 配置転換で給与が下がった
  • 定時決定や随時改定で標準報酬月額が下がった

場合も対象になることがあります。


養育期間標準報酬月額特例(養育特例)のメリット

将来の年金額を減らさずに済む

養育特例の最大のメリットです。

例えば、

育児前:標準報酬月額30万円

育児後:標準報酬月額22万円

になった場合、通常は22万円を基準に年金額が計算されます。

しかし養育特例を利用すると、年金計算上は30万円として扱われます。

社会保険料は上がらない

勘違いされやすいポイントですが、

年金計算だけが30万円扱いになるため、実際の社会保険料は22万円のままです。

つまり保険料負担が増えることはありません。


育休等終了時報酬月額変更届との違い

混同されやすい制度です。

制度内容
育休等終了時報酬月額変更届社会保険料を早く下げる制度
養育特例将来の年金額を守る制度

両方利用できます。

育休復帰後に時短勤務となった場合、

① 育休等終了時報酬月額変更届を提出する

② 社会保険料が下がる

③ 養育特例を提出する

④ 将来の年金額を守れる

という流れになります。


申請方法

被保険者が会社へ申し出を行い、会社が

「厚生年金保険 養育期間標準報酬月額特例申出書」

を年金事務所へ提出します。

申請を忘れていても、原則として過去2年分までさかのぼって申請できます。


Q&A

Q. 社会保険料は高くなりますか?

A. なりません。年金計算だけが育児前の標準報酬月額で扱われます。

Q. 育休等終了時報酬月額変更届と両方申請できますか?

A. はい。むしろ併用がおすすめです。

Q. 時短勤務以外でも対象になりますか?

A. 標準報酬月額が下がった理由によっては対象になる場合があります。

まとめ

養育期間標準報酬月額特例(養育特例)は、3歳未満の子どもを養育する方の将来の年金額を守る制度です。

  • 時短勤務などで給与が下がっても利用できる
  • 社会保険料は増えない
  • 将来の年金額を減らさずに済む
  • 育休等終了時報酬月額変更届と併用可能

育児と仕事を両立する家庭にとって非常に有利な制度ですので、対象になる方は忘れずに手続きを行いましょう。

「社会保険料を下げる制度」と「将来の年金を守る制度」は別物です。

養育特例を知らずに申請していない方も多いため、時短勤務で給与が下がった方は勤務先へ確認してみましょう。

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